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2013年5月

2013年5月11日 (土)

君や知る南の国! ローマ大学講演始末、さらにビエンナーレの招待作家に!

Viva イタリア!海外プロジェクトの報告の続きです

今年の2月末から3月にかけて行った「ザ・ジャポニズムプロジェクト」の一環として、ローマのサピエンツァ・ローマ大学にも招聘していただき、山口直也の講演会を開催する事ができました。これはその時に大学で作ってくれたポスターです。これが学内の要所に貼ってありました。グラッツェ。


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講演時間は2時間で、テーマは第一部がイタリアとジャポニズムとの関係、日本の芸能の歴史と、私が表現した映像の根底にある美意識(ザ・ジャポニスム)との関係について。
休憩を挟んで、第二部が日本人の四季の情緒と民俗、迷信について、それらを作品を通して解説する。という盛りだくさんのものでした。私は映像の専門家として、またユング心理学的解釈を援用しつつ、日本の伝統文化にも新しい光を当ててみようと試みました。
講演では、学生の皆さんが大変熱心に聴いてくれて嬉しく思いましたね。大学の講師の皆さんも、非常に興味深く勉強になったと最大限の讃辞を述べてくれました。公演後は大学近くの「古きローマ」という郷土料理の店で先生にご馳走になりましたよ。Buono! でもちょっとコッテリだったな(贅沢言うなよ)。

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サピエンツァ・ローマ大学は西ヨーロッパ最大の大学と言われており、歴史も大変古いものです。その東洋学科の中に日本学・日本文学専攻があります。中国語よりも日本語専攻の学生の方が数が多いという、今では世界的にも貴重な大学なのです。マストランジェロ先生を含む教授陣の指導の下(日本人の教授も何人かいます)、大変優秀な学生達が切磋琢磨しています。マティルデ・マストランジェロ先生は1990年に初年度のNHKイタリア語会話(後の「テレビでイタリア語」)」を担当した出演者でした。ブロンドで、今でも大変美人の先生です。
森鴎外の研究者で「舞姫」をイタリア語訳していらっしゃいます。講演では大学院研究員のマテオ・ルッチさんが通訳に入ってくれましたが、この方が大変優秀で、私の言葉を補足して大いに説明してくれるのですが、それを計算に入れていなかったので時間が足りなくなったほど。ルッチさんは、俳句の巨匠、松尾芭蕉の「かるみ」に関する専門家で(何のこっちゃ)、私がよく行く根津の「コムム」というイタリア料理店のシェフの知り合いでもあります(東大に留学していた時にも通っていたらしい)。因みにこの店のオーナーシェフの宮沢さんは、大学では哲学をやっていましたが、その料理の美味しさは「理屈抜き」ですからご安心を。写真はローマコミックスでの作品展・ワークショップに関する現地の告知と、英国とローマでお世話になった方々、ホームパーティーにお招き下さったイアンさんみどりさん一家とディーバとの記念写真です。

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さて、ローマコミックスを含めて、今回のローマ訪問の印象。現在世界的にクールジャパンと言われ、ちょっとしたキラキラ日本ブームなのですが、そのブームはイタリアでも同様だと言う事。日本の文化(アニメだけではなく)や語学に強い興味をもっている人達はとても多いのです。ただお金がないので日本には来れないのですね。イタリアは日本の不況どころではない大変な状況です。大学を出ても殆どが就職できない。勿体ないですね。今回も在ローマ日本大使館に挨拶に行きましたが、河野大使も同様の感想を述べておられました。

ですから今回の体験を通じて、私は何とか日本人の勤勉さとイタリア人の美的センスを結びつけられないものかと思いました。これまでもジウジアーロ(ジュジャーロと発音するようです)等のイタリア人デザイナーが日本のプロダクトデザインを手がけた成功例がありますし(ニコンカメラ、いすず117クーペ等)、ランボルギーニの内装にも使われている「アルカンターラ」という布地メーカーは、イタリアのメーカーと東レとの合弁会社だったりして、かなり成果を上げているのですね。
しかし、大企業はもとより、もっと多くの中小零細メーカーと、イタリアの無名のミケランジェロ級デザイナー達とを合体させれば、あるいは協力しあえるシステムを作れば(例えばコンペティションをやって日本に招くとかね)、まだまだ韓国や中国に負けない物作りができるのではないかと思いますね。日本の家電だってデザインが悪いというのが世界の定評になってしまいましたから。ひょっとしてこのブログをご覧の方で需要がありましたらご相談下さい。

さて、今回のローマ訪問では、新たな展開も・・・。本年度9月にローマ・アンツィオで行われる「現代アートビエンナーレ」から招待作家として招聘され、私の作品展示をしてくれる事になったのです。カタログも作ってくれます。ビエンナーレというのは、2年に1回開かれるイベント、3年に1回だとトリエンナーレと言います。
これについては今回ローマで展示した私の作品を閲覧したビエンナーレの主催者側が、それらを評価してくれ、私を招聘してくれたものです。このアートエキスビションでは、日本からの初めての招待作家となるようで、これは名誉な事ですし、主宰関係者には感謝しております。ただし本年度はジェンダーが統一テーマとなっているらしいです。これから構成を考えますが、世界の中の日本、日本人の価値観を考えるとやはり固有の女性観を記述する「古事記」は外せない気がしています。成立1300周年ですしね。といっても表現するのはそのエッセンスですから、写真によって古事記の実写をする訳ではありませんぜ。さてどうしよう・・河合隼雄方式でいこうかな・・・なんてね。そんな事を考えるのは結構楽しいです。ではまた・・・

        スタジオ☆ディーバ Photographer:山口直也

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