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2015年2月 1日 (日)

聴かずに死ねるか!CDジャケット撮影編

 

ご無沙汰しました。「聴かずに死ねるか」CDジャケット撮影編です。ちょっと熟成しているものもありますが、まあ飲み頃という事で。今回は漆原姉妹、西山まりえさんの登場だ。その他もこの後、順に紹介します。

 

漆原啓子・朝子:「Violin・Duo」

 

漆原姉妹のCD「デュオ」が平成26年度の「文化庁芸術祭レコード部門優秀賞」を受賞しました! おめでとうございます。授賞式は29日、明治記念館だぞ。

このグローバル化時代の中で、日本の西洋クラシックの演奏家の人達も本当に水準が高くなり、世界に通用するどころかその一線を凌ぐ方々が多く出てきたと思います。西洋のエートスと日本の繊細な感性とが相まって素晴らしい表現が行われるようになったのではないでしょうか。

そして漆原啓子さん、朝子さんはお二人ともが国際的に活躍し、高く評価されている演奏家です。と言うことでこのCDは実に贅沢なデュオだと言えます。

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内容は音楽史の時を越えて、ルクレール、ミヨー、シュポア、ヴィェニャフスキー、プロコフィエフ、そして武満徹まで。ほとんどが初めて聞く曲でしたがいずれも美しいです。二人の個性が際立ちながらも自然に絡み合い、ヴァイオリン2丁だけなのにとても深い世界だと感じました。

 

当然CDジャケットはスタジオ☆ディーバ撮影です。今回は予め「レトロな感じで」というデザイナーのリクエストがあったので大正ロマンなヘアスタイルを熟知した弊社ヘアメイクのMamiYukkoとが担当したのですが、スタジオ入りしたお二人は「いつもの髪型がいい」と直ちに却下!いつも通りになりました。

 

お二人は実の姉妹なのですが性格はぜんぜん違いますね。お姉さんの啓子さん(右の方)は今回初めてお会いしたのですが、実に闊達でシャキシャキした感じ。対して妹の朝子さんは非常におっとりしていて悠々の佇まいです。それが当然演奏にも表れるのでしょうね。

また楽器の音色も二人の性格にふさわしいと言えるもので、啓子さんのストラトは実に輝かしくて特に高音が煌めくように美しい。朝子さんのグァルネリは深く沈潜して玲瓏とした響きが特に低音にかけて感じられるようです。

とにかく弦の響きを愛する全ての人々にお薦めします。

 

追加情報として朝子さんは、先日新しいCDのジャケット撮影にいらっしゃいましたので、それは次回にお知らせしたいと思います。今度は主にフランス系のソナタだそう。

 

 

西山まりえ:バッハ「イギリス組曲」-立ち昇る音達-その他。

早いもので「イギリス」の撮影は一昨年になりますがまだ紹介していませんでしたね。やはり世界的演奏家、チェンバリスト・カンタービレ、西山まりえさんのバッハ鍵盤シリーズです。「鍵盤シリーズ」というのは、まりえさんはハーピストとしても有名だからです。そう言えばこのコーナーでの前回の登場は、バロックハープによるあの美しい「トリスタンの哀歌」だったと思います。
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既に数々の批評にあるように個性的で素晴らしい演奏。「フランス組曲」の時と同様、揺れて謡うチェンバロです。やはりこの方の場合は古典からバロックに遡ったのではなく、古楽からバッハに至ったというベクトルが演奏のエッセンスになっていると思います。それと総じてテンポが遅いのですが、私はもっと超スローな演奏も聞いてみたい。これはバッハの鍵盤の特殊性があるのかも知れません。昔、平均律などを巨匠弾きして遊んでいた時、ある楽曲では限りなくテンポが遅くなって、それはどうしても止まりそうなほど遅くなって行くので困ってしまった経験があります。不思議です。

西山まりえさんは性格的にはじつにさばけていて楽しい方ですが、官能と情意の影を帯びた音楽的出来事に対するコアな感性が素晴らしく、私はそこに稀有な才能を感じています。

 

このCDジャケットは俯瞰撮影だったのですが、楽器の関係で天井の高い2Fのスタジオに搬入できず何とか1スタの天井に頭を押しつけながら撮影しました。距離が近いとレンズの歪みが出てきます。でもこんな構図は見た事ありませんね。最近の彼女の撮影はプロデューサーやデザイナーがいてコンセプトがありますので、その延長で、その場で相談しながら作業しています。この構図は彼女の奏法によって鼓動のように立ち昇って来る音達を、視覚によって受け取っているような画像だと思います。そして床の赤に楽器の色が映えて美しい。そしてもっと風を入れたカットもあって、それはとてもシュールな感じでしたよ。でも、まりえさんは首が疲れたでしょうね。何十カットもテイクしましたから。

とにかくメトロノーム奏法の「イギリス組曲」しか聴いた事のない方々に、「フランス組曲」「ゴールドベルク」と共に是非お勧めいたします。

 

さて、この時には他のバージョンも撮影していて、色々なリリースに使用されているようです。音は聴いていないのですがいずれも「可愛いまりえ」シリーズでした。こんな感じで。
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その後、その年の暮れに「格好良いまりえ」シリーズの撮影をしまして、それはこんな感じです。これは「ゴシックハープの植物文様」という不思議なタイトルです。格好良いですね。
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服装はちょっとケルトでスコティッシュです。内容に合わせ強い光を避けてディフューズした光を蛍光灯でつくっています。その内容というのは、植物の持つ電位の変化を葉の表面から取り出し、旋律に変換し、バロックハープやオルガネットで演奏する、という不思議なものです。ヒーリング効果抜群です。何か「アタゴオル物語」の世界。聴いていると部分的には「トリスタン」に通じる感じの静掻が天国的にしかも無慈悲に、寄せては返す波のように繰り返されて行きます。何か、植物と動物の事、さらには鉱物について、いつしか瞑想してしまうような哲学的な音源なのです。この時の画像、吟遊詩人の現代版といった所でしょうか。

2この上の画像はナーデルマンハープとか言ってましたっけ。古いやつらしいです。いや恰好よいですね。何かの機会にお目にかかると思いますよ。
以上、撮影:山口直也 ヘアメイク:輿石マミ、横溝ユッコ でした。

ではまた。

   スタジオ☆ディーバ Photographer:山口直也

 

 

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