ギャラリー③<ジャポニズム・麗花>
麗花さんと初めてお会いしたのは、彼女がスタジオ☆ディーバにポートレートを撮影しに来た時だから数年前になるだろうか(その時からMamiがヘアメイクに入っています)。彼女は舞踊家で「動景画」というジャンルを展開しているのだが、とにかく撮影時でも音楽に乗って踊る訳で、そういう動きのあるポーズは、スタジオの大型ストロボでは非常に撮りにくいと思った記憶がある。チャージが遅すぎるのだ。
今回は、英国はストラトフォードでの公演も視野に入れて、和テイストの画像の撮影をした。この英国公演はこの数年恒例となっているもの。ストラトフォード・オンエイボンはシェークスピアがそこで生まれて、晩年再び帰郷したという田舎町だ。落ち着いた佇まいの小さな町だという。また、来年はワルシャワのオペラハウスでの公演も決まっており、麗花さんは世界的に活躍の足場を広げている。
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Photos: Tonno
Model: Reika
Kimono coordinator: Mayumi
Hair & Make-up: Mami
Make-up director: Sun
さて、海外から見た日本というと「ジャポニズム」という事になるだろうが、「日本の美の形」そのものではなく、そのエッセンスを表現できたら良いなと思っている。溝口健二の「雨月物語」(私はこれほど美しい日本映像を他に知らない)ではなく、かといって「SAYURI」の似非ヘアメイクやロッキー青木(古い!)のレストランのエレベーターに鳥居が付いている式の「ジャポネズリ」でもない。エッセンス! それは多分日本刀の刀身のように冷たく鋭利で、ある時は非対称でたおやかに、しかも桜のように一斉に散り、ある時は役者絵のようにデフォルメされて力強く、あるいは宮殿造りの屋根のように重層する水平の広がり、明かりを翳す障子の桟の直交するシンプルな直線・・・・etc、そういったものが醸し出すエートスを表現してみたいのだが。
麗花さんはインスピレーションの赴くまま、気に入ったスポットやシチュエーションがあると踊り始める。そのために常に体調を整えておく。今回のロケを通じて、彼女は本物の芸術家であり、半分はアスリートだという事を感じた。
Photos: Tonno
Model: Reika
Kimono coordinator: Mayumi
Hair & Make-up: Mami
Make-up director: Sun
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